エンジニアのスキルアップを考える上で重要なことは、実際のプロジェクトを前提に考える必要があるということだ。高度な技術を身につけることだけがスキルアップではなく、プロジェクトでは複数のエンジニアが関わる状況を踏まえることなのだ。

一般的に、新米のエンジニアは入社して数年でスキルの上達度合いに差が見られると言われている。それを見て、会社としても上司からも一定の評価を得て重要なプロジェクトに参加するエンジニアや反対に面白みの少ない業務に席を置くエンジニアがあらわれるようになるのだ。スキルがあればエンジニアをして評価されるという図式が確かにこのころには出来上がってしまうのかも知れない。しかし、業界ではプロジェクトで複数のエンジニアが共同で作業し、それぞれが役割を担うのが一般的だ。そんな彼らを取りまとめるのがプロジェクトリーダーだ。リーダーには、単なる技術的なスキルアップだけではなく、コミュニケーション能力も求められる。これはエンジニアの世界に限った話ではないが、どんなに優れたスキルを持っていても、大きなプロジェクトは1人で全てを行うことはできない。そのため複数人でプロジェクトに当たることになる。全員を取りまとめるリーダーの役割が重要になってくるのだ。

一定のキャリアを積んだエンジニアにとってさらにスキルアップするには、技術だけでなくコミュニケーション力が欠かせない。時には入社後、エンジニアとしては評価されていなかった人がこの頃になってリーダーとしての資質を示すことも少なくはないのだ。急がば回れのような話だが、エンジニアとしてスキルアップしていくためには、人としての成長が不可欠なのだ。